とってもとってもすぐまたできる・・・タコ&魚の目。
痛いし、汚いし、気になりますよね。実は、タコを削ることや魚の目を取るのは一時的な対処でしかないのです。本当の解決策は、靴や歩き方、乾燥などが関係しているケースが非常に多いです。これまで、医療現場で拝見しても「タコ(や魚の目)くらい・・・」と自分で解決させようとする方が意外と多いのでテーマにしました。
この記事を読むことで、自己判断による悪化を防ぐことができます。急がば回れです。
タコや魚の目の自己解決は難しい
タコや魚の目は生活習慣によって改善するケースが少なくありません。だたし、すでにできていて困ってる方は自分で解決させることはオススメしません。一度、皮膚科に受診して現状を確認しましょう。後述しますが、似て非なるものの可能性もあります。
また、糖尿病の神経障害(しびれや麻痺、感覚低下など)や足の血行不良がある方にとっては、タコや魚の目などが重大な取り返しのつかない状況を招きかねなません。ご家族も知ってて、配慮して欲しい点です。
糖尿病や血行不良がなくても、痛みのために立ち方や歩き方にも影響します。
「こんなくらいで」無理しないようにしましょう。
タコや魚の目 体からのサイン
タコや魚の目は、手足の特定の部位に圧が反復性に加わることにより生じる皮膚の角質が厚くなった状態です。
タコや魚の目ができて痛いということは、「力がここににかかってますよ〜」「よろしくないですよ」のサイン。
厚くなった角質、タコや魚の目を取ったとしても、それらがどうしてできたのか根本的に見直さないと繰り返すだけなのです。もちろん、厚いところを削って取ることは必要なケアです。
しかし、せっかく体が教えてくれるサインがあるにも関わらず、根本解決がなされなければ対症療法で削り続けなくてはなりませんし、将来体へ支障がでかねません。
根本的にどうしてそこにタコや魚の目ができたのか、その原因を取り除くことが一番大切です。
タコや魚の目って?
タコや魚の目は、手や足の特定の部位に圧が反復性に加わることにより生じる角質の肥厚のことをいいます。簡単にいうと、同じ場所に繰り返し力や摩擦が加わることで角質が厚くなった状態。
つまり、生理的な防御反応といえます。
原因としては、以下項目で当てはまるものがないか確認してみましょう!
✅足の形に合わない靴:大きすぎる・小さすぎる
✅足の甲を留めない靴の着脱
✅足の変形(開帳足、凹足、外反母趾など)
✅歩き方の変化
✅脂肪の減少
タコって?正式には胼胝(ベンチ)
皮膚の角質層が硬くなります。
タコの部分は、うすく黄色で皮膚の表面よりも盛り上がった状態になり、芯はなく痛みも伴わないケースが多いです。しかし、足状態によってタコでも痛みが伴うこともあります。
骨が突出している部位にできます。親指や小指、体重のかかる足の裏が最も多いですが、「ペンだこ」や「座りダコ」などもありますね。
魚の目って?正式には鶏眼(けいがん)
タコと同様皮膚の角質層が硬くなった膨らみの中央に硬い芯があります。この芯は、皮膚の内部に向かってV字形にできます。タコが表面に盛り上がるのに対して逆になります。
触ったり、歩いて体重がかかったりすると痛いことが多いです。
似て非なる 魚の目とイボ
また、ウイルス性のイボ(尋常性疣贅)と魚の目の見分けがつきにくいのも特徴です。
ウイルス(HPV)が感染してできる皮膚や粘膜の病気ですから、もちろん「うつる」可能性を秘めています。しかしながら、私たちの皮膚や粘膜は解剖学的な構造や免疫の働きなど他の様々のバリアー機構でウイルスや細菌などの感染から守られており、正常の皮膚や粘膜には通常感染しにくいと考えられます。*日本皮膚科学会HPより引用
このように、イボは本来ならば感染しにくいとのこと。
ただ、
ちょっとした傷があるとそこから感染します。この、ちょっとした傷は目に見えるとは限りません。そのため、多くの方に携わる職業では感染対策をきちんと講じる必要があります。
個人であっても、魚の目だと思っていじってしまい、どんどん増えてしまった⁉︎というケースもあります。イボを念頭において気をつけるに越したことはないようです。
正しい靴の履き方についてまだ読んだない方は、こちら👇健康の基本です。意識の高い方はすでに取り入れています!
対策
すでにあるタコや魚の目はどうしたらいい?
特殊な器具を用いて芯や角質を除去します。受診することで、角質を柔らかくする塗り薬が処方されることもあります。
❌市販のスピール膏を使用したり、自身でカッターや爪切りを使って取り除くのは非常に難しいです。
魚の目の芯は、実は見た目以上に深く入り込んでいますし、正常な皮膚までも傷を作ってっしまう危険性があります。そのため、糖尿病合併症(しびれや麻痺、感覚低下)がある方や足の血行が悪い方は、スピール膏やカッターを使って取ろうとすることは禁忌!絶対にしないでくださいね。
ただし、セルフケアでは以下に記した『予防』はタコや魚の目だけでなく、『健康』のためにとても大切!今は何もない方がいたら、ぜひこの機会に一緒に開始しましょう。
タコに対してレデューサーやガラスやすり等を使用する時、削りすぎることがあります。充分注意が必要です。削り過ぎると、痛くなって足が着けなくなったり、正常な皮膚を傷つけ細菌感染を引き起こすこともあります。
可能であれば、市販薬を使用したり自宅で処置は行わずに、まずは患部の状態診察してもらうことをお勧めします。特に糖尿病の方は看護師が外来で足のお手入れをしているところもありますので、まずかかりつけ医に相談していただきたいと思います。
タコやウオの目を予防しましょう
タコやウオノメは圧と摩擦によって作られましたね。そのため、タコや魚の目を予防するためには、圧と摩擦を少なくすることが重要です。
まず、普段履いている靴!
サイズがご自分にあっているか確認してみましょう(別記事参)。
足に合っていない靴は大きすぎても小さしぎてもタコや魚の目ができやすくなります。さらに、外反母趾や巻き爪、足趾変形(足の形が変形)にも繋がりますのでよくご注意してください。
次に、靴の履き方!!
靴の履き方は足そのものにも影響しますし、姿勢や歩き方、疲労感にも関連します。足の甲をきちんと留めていないと、歩行のたびに靴の中で足が自由に動いてしまいズレが生じます。さらに一歩一歩のズレによって必要以上の圧もかかり、タコや魚の目ができやすくなります。
ぜひ、正しい履き方で靴を履いてもらいたいと思います。
最後に、保湿!!!
きれいに洗った後、しっかりと保湿しましょう。
そうすると、よく何がいいですか?と質問を受けます。もし、手に塗っているものがあれば同じものを塗ってみましょう。効果が感じられなかったら、変更しながら自分にとって「納得のいく」ものを見つけるのも楽しいと思います。
1人ひとり、体の状態、皮膚の状態が違うので一概にはコレってお答えが難しいのです。
ただ、外反母趾や足の指が重なっていたりしてすでに困ってる、タコや魚の目がいつも同じところにできる方は靴や靴の履き方と合わせてオトーゼの活用もお勧めです。オトーゼについて詳しくはこちらに記事にまとめています。よかったら参考にしてみてください。
結論
「たかがタコ」「たかが魚の目」
自分でなんとかしようとするにはリスクが伴います。セルフケアをすることはとても良いですし、その意欲がすばらしいと思います。
ただ、一人で判断が難しことがいくつもありました
・イボと間違えない
・靴のサイズ
・正しい靴の履き方
・角質の削り方
正しく、適切な判断と方法でケアを行い、タコや魚の目ができにくいように問題の本質を解決していくことが大切です。糖尿病がおありだったりそれぞれのお体の状態によって、より一層の注意が必要です!
おわりに
ケアに携わっている皆さんは、患者さんに注意事項をお伝えしていることと思います。「伝えていたのに・・・どうして⁉︎」と目を疑いたくなることもきっと経験あるのではないでしょうか。
一方的に叱るのではなく、必ずなぜそうしたのかを聞いてみて欲しいのです。そこには、私たち看護師が、今後どうしたらいいのかのヒントがあるはずです。
患者さんも自分も責めない看護。
一緒にしていきましょう。
今日という日がいい1日でありますように!
今日と言う日がいい1日でありますように
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