爪切りは身近なセルフケア一つです。他の人の爪を切る時、どんな風に切ったらいいのかなと思ったりしませんか?この記事では、爪の構造を踏まえて出血させることなく安全な足爪の切り方のポイントとその理由をまとめています。
ぜひ最後までお読みいただき、ご自分の足爪切りや患者さん、利用者さんの足爪切りに活かしていただけたら嬉しいです。
足の爪は一気にきらないで少しずつ 真っ直ぐ切る
足の爪、特に他者の爪は薄黄色に変色し伸びた部分を切りすぎないよう注意して少しずつ切ります。足趾に対して真っ直ぐ!指の形に沿わすと丸くなりますがあえて形は四角くなるように切るのです。
端の角は引っかからないようにヤスリで削る程度でOK。長さは、指と同じくらいか1mm程度少し短い長さが良いです。
したがって、外来や訪問での爪切りは月に1回が一つの目安です。1ヶ月先に危険な状態になっていない、さらに今切り過ぎではない長さとして、足の爪は指よりほんのわずか(1mmほど)短めを目安です。
また、自分の足爪を一気にパチンと切る方もいると思います。ご自分の爪はこれまで数えきれない程切っているので、おそらくどこまで切ったら痛いか、切る衝撃で割れたりしないか、感覚的にわかります。
しかし、他人の爪だと爪の硬さ・脆さ・厚さ・痛みを感じる長さも異なります。確認してから始めますが、爪切り行為そのものを慎重に実施し、安全性を担保しましょう。
爪の構造
3層構造
爪はケラチン(タンパク質)で作られていて3層のプレートで1枚の爪を作っています。
各プレートは2枚目の図のように、下層が縦、中層が横、上層が縦にそれぞれ繊維が並んでいます。そのため、縦に割れやすく、かつ爪の縦に丸まりやすい性質があります。
縦繊維が2枚あるため、切ったところから丸まるため、端を短く切ると巻き爪が悪化するという仕組みとなっています。
カーブ
たいていの方の爪は、指側にまるみを帯びています。これはまるまりやすい爪の性質と指からの圧とのバランスで緩やかなカーブを保っています。
カーブしてる爪に対して固い爪切りの刃を一気に入れてパチンと切ると、割れてしまうことがあります。硬い爪や厚い爪、爪白癬だど一層端が割れたり、縦に亀裂が入ったり・・・。
そのため、端から少しずつ切ることで、爪への負荷を最小限に切り過ぎを防ぐことにも繋がります。
爪切りを怖がる方
爪切りは爪きりやニッパーなどの「刃物」や、グラインダーという機械を使用したりします。認知機能が低下している方にとって「怖い」と感じることもあります。
いきなり爪切りをしようとせず、お話ししながらマッサージしたり体に触れさせていただく段階を経るとスムーズに受け入れてもらい易いです。
爪がすごーく伸びてしまっていて、少しでも早く切らないと危ない時。
焦って強引に一気に切ろうとすると良いことありません💦 割れてしまったり、爪への負荷がかかるので痛みも伴います。さらに、その体験から『もうやらない』気持ちを強めてしまいます。こうなってしまうともう大変です!
「楽しい」「気持ちいい」「またやってほしい」
そんな感情を引き出せたら大成功です👍
結論
他者の爪切りは、「少しずつ」行いましょう。
少しずつ
少しずつ切ることによって、安全性を担保し負荷を減らし痛みも伴いませんので、安心感や信頼も高まります。爪切りの端やニッパーの先端を使用して少しずつ切っていきましょう。
一気にパチンとは切るとしたら、自分の爪だけです。
また、爪切りの刃先もカーブしておらずに真っ直ぐのニッパーや爪切りを選ぶと、真っ直ぐに一層切りやすくなります。
まとめ
自分の身体は意識しなくても「感覚」で安全に爪を切れるなさじ加減を覚えています。
しかし、そのさじ加減は他者も同じかというとそうとは言い切れないものです。
「自分以外の誰かのために」そんな優しさが仇にならないように最低限の知識を得て、たくさんの笑顔に触れていただけたら。そんな思いでフットケア「思いやりコース」でサポートさせていただいています。
爪切りの方法だけでなく、「どんな状態だったら医療機関受診が必要なのか」や在宅でよくある足トラブルや靴のことを学び手に入れることができます。
今日という日がいい1日でありますように!
コメント