フットケア をしていると足の裏が乾燥してタコがカチカチに硬くなって痛くなってしまった方、踵の角質が肥厚して鱗状になってしまってる方、固い角質に亀裂が入ってしまった方にお会いしませんか?保湿してもらえれば綺麗になると感じることがしばしば。でも、チョッと待って!その方、本当に保湿でいいのでしょうか?他のご病気ってことはないですか???
笑足サロンでいただいた質問をもとに書きました。フットケアに携わる方々にとって、考え方のヒントが詰まった内容です。ぜひ最後までお読みいただけたらと思います。
「乾燥対策は市販薬」で良いのか?
「肌が乾いてしまっただけ」と思われがちな皮膚乾燥です。実は、たかが乾燥・されど乾燥とても奥が深いのです。時に身体の切断にまで及ぶことも・・・。
日本の現状としては莫大な医療費が大きな課題となっているのも事実。何でも処方してもらったらよいというつもりもありません。
私たちが見た目だけに捉われることなく、思慮深く捉え皮膚の乾燥について市販の保湿剤で良いのか診療を提案することも大切です。さらに、後述しますが「処方」が時に保湿(療養行動)のアクセルになるケースもあります。そういった効能も踏まえて患者さんの生活や身体が良い状態に方向付けていけるよう捉えていきましょう。
乾燥は様々な疾患が関連しているケースが少なくない
乾燥は状態です。その状態になるのは何らかの原因があります。たとえば、加齢、脱水なども原因になります。ご本人は気付いていないだけで病気が原因だったということも少なくありません。
乾燥症状が現れる疾患例:
特に最近は乾燥肌の方が多いので、入浴時の湯の温度や洗い方など生活場面でのちょっとしたアドバイスがとても看護支援として有効なケースもありますので、覚えておくと役だちます。
また、肌の乾燥によってバリア機能が低下し水分が逃げやすく、また外部からの刺激にも弱い状態になってしまいます。糖尿病性自立神経障害で発汗量の低下をきたしているケースでは、神経障害による感覚低下を伴っていることも推測できますので足を見ることとセットで保湿の習慣化が期待されます。
原因によらず、たかが乾燥と思うことなく適切に対応できるといですね。
「処方」の意味
例えば
もし、以下のように頼まれたらどう感じますか?
パターン1:「先生から処方してもらったから塗ってもらえる?」
パターン2:「ドラッグストアで買ってきたから塗ってもらえる?」
皆さんはきっと1も2もきちんと塗って差し上げると思います。ただ、パターン1の方が明らかに印象に残りませんか。というのは、1は処方された「薬」=「治療」を意味するからです。
そのため、自然と「何の薬かな?」「みんなに情報シェアした方がいいかな」と考え始めるのです。
皆さんはいかがですか?
ここでお伝えしたいことは、ご本人だけでなく周囲も処方かどうかによって捉え方が変わることを実感していただけたのではないでしょうか。
物理的効能以外にもたらす意味の存在
先の「例えば」でお分かりいただけたように、処方薬は物理的に期待できる効能だけでなく、『医師の指示』『疾患』『治療』などの意味を含有します。
極端な例えをすると、処方と市販が全く同じ効能だったとしても、患者にとってそれらの位置づけは全く異なっています。処方ならば塗布するけれど自分で買ったものは塗らない方もでてくるのです。
同様に、処方されないならばそれほど必要じゃないと必要性を自己解釈して推し量る方もいます。そのため、患者さんがどのように解釈されているか確認し、誤った解釈をしているようでしたら修正することが看護師の重要な役割ではないでしょうか。
塗布薬が処方されることで、「やってみよう」「やらなきゃ」「続けよう」と行動意欲を高める要素であるならば、時にその要素を活かすこともアリなのではないでようか。懸念される医療費においても、長期的視点で捉えれば切断や潰瘍形成を予防となり医療費削減に貢献しているはずです。
まとめ
処方、療養行動について日常の看護において広く活かせる大切な点を書きました。看護やフットケアにどんな場で携わるか、協働する医師の考え、組織文化などが絡み合いますので一つの考えとして捉えていただけたらと思います。
また、サロンでは毎月1回のZOOM勉強会➕地域や所属を超えて仲間と繋がり、チョッとしたことでも確認し学び高めあえる場です。足の状態、全身状態、環境は皆さん異なりますので、『これでいいのかな?』と感じたときに安心して相談できるサロンです。
素敵な仲間とちーさんが待っています!
今日という日がいい1日でありますように!
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