霜焼けって仕方のないものと思いがちではありませんか?実は、凍瘡というれっきとした皮膚疾患に値します。足にもできやすいのでフットケアをしていると相談を受けた経験がある方もいると思います。この記事では、ハイリスクの足を守るためにも霜焼けの原因を知り具体的にどうしたら予防できるのか、悪化を防ぐことができるのかを紹介しています。ぜひ最後までお読みいただき患者支援にも活かして頂けたら嬉しいです。
霜焼けは保温とマッサージで予防&改善だ!
霜焼けは医学的には凍瘡といって、気温が低下して、手や足の指など末梢に起こる炎症性皮膚疾患です。子供に多いですが大人でも発症します。
赤く腫れて痛痒くなります。
手足の指や踵、耳たぶにできることが多いです。しっかりと対策して予防しましょう!!!
しもやけになりやすい部位を保温しましょう
霜焼けの予防として保温を紹介していますが、霜焼け改善のためにも重要なので要チェックです。
霜焼けができやすい部位は忘れずに手袋や厚手の靴下でしっかりと保温!
耳もニット帽や耳当て、ネックウォーマーやマフラーなどで保護することを忘れないようにしましょう。
体の冷えを避ける
家を出る時は最も寒さを感じる時。ここに合わせてしっかりと防寒していると、歩いたり体を少し動かすと、汗をかいたり蒸れたりすることがあります。
実は、この汗や湿気はとても危険!
汗が冷えると体が冷え、その冷えによって霜焼けの誘引になります。
特に子どもは活動が活発で、暑がり。体温も高いですね。寒いのはほんのいっときで、汗をかきやすいので注意が必要です。
入浴やマッサージで血行を促す
霜焼けを改善し予防するためにはセルフケアが重要です。
入浴時に手軽にできるケアとして代表的な2つを紹介します。
湯船にしっかりと浸かり温まる
シャワーだけでなく、湯船に全身を浸かって温りましょう。
ただし、暑すぎたり長湯し過ぎると肌が乾燥する原因になるため、38°〜40°Cのぬるめの温度で適度な入浴時間(10~15分くらいまで)に留めることをお勧めします。
マッサージをする
マッサージは血行促進に効果的です。入浴時や入浴直後にセルフケア として手足をマッサージすると良いですね。
入浴後は、保湿剤を塗って皮膚を乾燥から保護します。
霜焼けになりやすい部分を含めて広い範囲でマッサージします。すでに霜焼けができてる方の場合、使用する保湿剤は炎症を鎮める成分やビタミンEなどの血行促進効果のある成分が配合されたタイプがおすすめです。
注意点は、皮膚を擦らないようにすること。保湿剤の塗布も含めて、擦ると皮膚に負担をかけることになします。
また、皮膚の状態をよく観察してマッサージをして大丈夫か確認します。霜焼けがしでにできていて患部に水ぶくれ・ただれが生じている場合は、それらが引けるまでマッサージを避けましょう。
キツい靴、靴下は履かない
血行不良が、霜焼けの原因になることは説明したとおりです。
そのため、足先の血流を妨げるキツい靴やキツい靴下は避けましょう!霜焼け予防のためにはお勧めできませんし、足趾の動きを考えても良い点はあげられません。。
足に合わないものやサイズが小さ過ぎるものを長時間履き続けると、血行不良によって霜焼けになることがあるからです。血行が妨げられない靴、足趾をしっかりと動かせる靴を選んでください。
寒くて暑い靴下を履くと、靴がキツくなることがあリますね。見落としがちなので注意ポイントです!
また、下肢のエクササイズ踵の上げ下ろしなどは筋肉を使うので血流アップに効果的です。
「あわせて読みたい」に靴の選び方を掲載しましたので、ぜひ!
注意
多くの場合、内臓疾患との関連はありませんが、時に病気と関連していることがあります。例えば、全身エリテマトーデス、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患の一症状として凍瘡様皮疹が見られることがあります。
〇多形紅斑型の皮疹
〇春先をすぎ温かくなっても、しもやけがある場合、
〇10代後半あるいは成人期に初発したしもやけ
〇レイノー現象、下肢の網状皮斑を伴う場合、
〇治療に抵抗性の場合
専門的な言葉が並んで難しく感じた方もいるとおもいますが、なかなか治らない場合は、早めの受診をお勧めします。
霜焼けの原因
しもやけになりやすい部位を保温していない
霜焼けになりやすい部位を手袋やマフラー、耳当てなどで露出を防ぎ、防寒・保温をしていないと、しもやけの原因にもなり治りにくくなります。
血行が悪くなっている
寒くなると自律神経の働きによって血管が収縮し、体内の熱が外に逃げないように自然と調整されます。
このように寒さで血管が収縮して血流が悪くなったまま放置し、血流を改善させないと、霜焼けはできやすくなります。
例えば、緩い靴下でも何毎も重ねて履くことできつくなって血流を悪化させてしまいます。
汗をかいた後そのまま放置
冬の寒い時期でも防寒した状態で長い時間過ごしたり、体を少し動かすと汗をかいたり蒸れたりします。
汗の役目は蒸発して体を冷やすこと。
冬でも発汗することで皮膚の表面温度は下がります。体が冷えることで血流が悪くなり、霜焼けの原因になります。
しもやけがなかなか治らない・・・
霜焼けになった皮膚に適切なケアをせず放置していれば、しもやけの症状は改善しにくいでしょう。
霜焼けになったところは、炎症が起きて、かゆみや腫れが生じています。
症状を悪化させない、または改善するためには、炎症を抑えて血行を促進するタイプのクリームを塗るなどのセルフケアが必要です。
霜焼けは保温と血行を意識したセルフケア!
霜焼けはしっかりと保温し、血行を維持&促進することが大切なことがわかりました。
保温も靴下のように重ねることで保温できると思いがち。ただ実際は、靴下を重ねて履くことでキツく締め付けられてしまい、血行が悪くなることも珍しくありません。
筋肉を動かしたりマッサージすることで血行促進することや、保湿ケアが重要なのです。
神経障害が発症していたら、霜焼けになっていることすら気づかないこともあります。
寒い時期は色の濃い暖色系のものが多く販売されていますが、できるだけ色の薄い靴下を履くようにしましょう。そして、❶脱いだときに靴下を通して出血などの箇所がないか確認、❷足の観察、両方を合わせて行うことをお勧めします!
まとめ
中学生の頃、霜焼けになった経験があります。痛痒くて辛かったのを覚えています。ドイツでは子供に霜焼けができると虐待が疑われるそうです。
寒冷刺激による子供の皮膚トラブルは大人の配慮次第で予防できるものとして認識されていることがわかります。
霜焼けといえどもれっきとした凍瘡。
患者さんから相談された時は、しっかりとセルフケア支援が必要ですね。
今日という日がいい1日でありますように!
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