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援助の突破口!患者さんと一緒に取り組むこと

足のこと

フットケアや食事療法、運動療法について何だか毎回患者さんと同じやりとりをしてて「言葉が届いていない」そんな感覚がある方。患者さんの「身体に働きかけるケアモデル」が有効かもしれません。この記事では、実践で活かせる『身体の感覚に働きかけるケアモデル』について紹介しています。

実は、このモデルを意識的に活用すると、患者さんが自然に自分の身体と向き合い始めるモデルなんです。凄いですよね!笑顔が集まるフットケアオンラインサロン(通称、笑足サロン)でも先日ご紹介しています。

ぜひ、最後までお読みいただき慢性疾患看護専門看護師のちーさんと一緒に支援のヒントを手に入れましょう。

患者さんと一緒に見て触れ反応を受け入れると援助の切り口が見えてくる

看護師が患者さんにどんな働きかけをするかによってによって、患者さんの反応、行動は変わります。

より一層自分の身体に関心を向け、どう体を感じているのか引き出せるように看護師が働きかけることで、支援のヒントとなる糸口がみつかります。

看護師が押し付けることなく自然に患者さん自身も自然に自分の身体を意識するようになるのです。

例えば、

ー自分の身体を看護師に見せる

ー身体を動かす

ー今の身体がどのようであるのか感覚し表現する

ー自 分の過去を表現する

ー身体を探る

ー身体をいたわるという反応

「患者さんに必要なことだから」「大切なことだから」といって一方的に押し付け、怒らせてしまうような失敗はもうなくなります。この支援は患者さんが自分で自分の体に気づき、関心を高める関わなので実践的で大好きなモデルの一つです。

米田昭子先生(2型糖尿病患者の身体の感覚に働きかけるケアモデルの開発,日本糖尿病教育・看護学会誌Vbl.7 No.2,2003,96-106)論文参照

身体の感覚に働きかけるケアモデル

良さそうなことは分かったけど、もうすこし具体的に知りたいわね

そうですよね。

例えば、みなさんは患者さんのフットケアをする時、見たり触れたりして患者さん本人とどのくらい共有していますか?

看護師さんは、「乾燥してますね」とか「足が冷たい」「赤くなってますね」って教えてくれるわよ。そういうこと?

そうですね。それも大切です。

そこからさらに、患者さんにも足を触れ感じ取っていただきます。例えば、「足を一緒に見てみましょう」「足が乾燥してますね、触ってみましょう」のように耳から看護師の言葉を聞くだけでなく、

❶患者さん自身が自分の足を見たり触れたりして感じてもらいます。

❷見たり触ったりした感覚を表現してもらいます。「触ってみると思ってたよりガサガサだった」とか。自由に表現してもらいましょう。表情や反応もよく観察します。

❸看護師は患者さんの表現をありのまま受け止め、反応を取り入れて身体のことをわかろうとする手伝いをします。

ここで、大切なこと。

観察して分かった情報をただ患者さんに伝えるだけでは不十分なんです。

たとえば、手入れによって乾燥が和らいだ皮膚に看護師が触れて「すべすべになりましたね」と看護師が感じた状態を患者に伝えることで、変化した皮膚の状態に患者は気づくことができます。

もしかしたら、「そんな簡単なこと?」と感じた方もいるかもしれません。しかし、この働きかけを意識的に循環させながら提供することで大きな成果が得られます。

身体の感覚に働きかけるケアの意義

身体の感覚に働きかけることで、患者の身体をとらえようとする患者さんを手助けすることができます。

特定の部分だけを見て指導するという医学モデルに沿ったアプローチとは違い、身体に関心をもって今の身体の状態を患者さん自身ががわかることに目を向けています。

体調や生活を整えることができるように援助するというケアとして有効なケアモデルです。

例えば

糖尿病があって、靴の履き方を指導してもなかなか取り入れて頂けないAさん。

これまでは、パンフレットと口頭で足のことや靴のことをお伝えしていました。足への意識を高めていただきたいけれど、Aさんの行動変容につながらずに困っていたNSにこのモデルを実践してもらいました。

Aさんは、はじめは気乗りしない感じで足を出すことに躊躇していましたが、自分で靴を脱いで見せてくれました。看護師が足を拝見すると、両母趾の巻き爪を発見。

そこで、看護師が「Aさん、両方の親指が巻き爪ですね。巻き爪のところってゴミが溜まりやすいんですよ。見れますか?」と促し一緒に見てもらいました。

Aさんは「親指の爪はみんなこうなってるもんじゃないの?」「え〜知らなかった!」と、巻き爪が異常なこととして認識していないことがわかりました。看護師は、Aさんが皆親指は巻き爪だと思っていたことがわかりました。当然、看護師はAさんの反応をそのまま受け止めつつ、本来は親指も爪は巻いていない事実をお伝えしました。

Aさんは自分の足が何も問題ない足だと思っていたから、これまで繰り返し靴のことをお話ししても意識が向きにくかったことがわかりましたね。

ここからは患者さんの反応に合わせて「巻き爪って靴や靴の履き方で悪化するんですけど知ってますか?」とか「どうして巻き爪になったと思いますか」などAさんの関心度に合わせて靴のことや靴の履き方、歩き方と結びつけて自分で身体の手入れができるように手助けしていくのです。

また、モノフィラメント検査(写真)を実施したところ、特に問題なくクリアしました。

Aさんから「これがわかんなくなっちゃう人もいるの?」と反応(質問)があったのです。このように身体の反応に関心が寄せられたら、しめしめです。

「自分もモノフィラメントで今日感じた感覚が鈍ってわからなくなる可能性」があると、自分ごとに置き換えられるよう情報を提供することで自分の身体を捉えることにつながります。

その後、Aさんはお風呂に入って足を毎日観察するように意識し始めたそうです。

Aさんのように、分かっているつもりでいても、実は知らないことや思い込みが少なくありません。長年付き合っている体は自分にとっては「当たり前」にあります。

私たち看護師は、患者さんに自分の体を感じてもらうきっかけをつくり、反応を引き出し受け止め、必要に応じて手助けしていくのです。

患者が身体と向き合うことを促すことは支援の手がかり

医療者が思っているよりもずっと患者さんは自分の体を捉えきれていません。そのため、まずご自分の身体をどのくらい向き合い、捉えているかを確認します。その状況に応じて、自分の体をありのまま受け止め捉えることができるよう、意識的に向き合うきっかけを作っていくことが必要です。

「自分の体なんだし分かっているはず」

この思い込みは非常に危険です。いま、この場で捨ててしまいましょう!!!

患者さんの自尊心を保ち、療養を支えていくために、できることは自分で手入れをしていけるように方向付けていきたい。支援のキーは患者さんの反応や語りにあるのでぜひありのままの反応を大切にしましょう。

まとめ

「身体の感覚に働きかけるケアモデル」実践できそうでしょうか?糖尿病や足以外の疾患でも有効ですのでぜひ試して頂けたらと思います。

また、ちーさんは実際にこのモデルを実践してきて、共通のことをよく言われまました。

「こんなに丁寧に見てもらったことはない」

「こんなに大切にしてもらったことはない」

看護師が患者さんとともに看護場面を構築できると、特別に時間をとらなくてもこんな風に感じてもらえるのだといつも感動しています。

Abebyフットケアペシャリストコースでは技術だけでなく、理論やモデルなどの根拠に基づいた関わりも含めてガッツリと学べます。ちーさんが一生懸命にサポートしています!

今日という日がいい1日でありますように!

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