巻き爪があって、爪の食い込みあたりが痛いと「巻き爪」が原因なんじゃないか?そう思いたくなるかも知れません。実は、痛みの原因が靴サイズのケースが問題のことも多いです。
この記事では、実際の事例を通して『習慣』『慣れ』の怖さと教育の重要性をまとめています。ぜひ、最後までお読み頂き、ご自身や周りの大切な方に活かしていただけたらと思います。
原因は巻き爪じゃない!
『巻き爪の爪先が痛い⇨巻き爪があるから巻き爪が原因だろう』
こんな風に思っていませんか?この発想、先入観に囚われていて非常に危険!単なる思い込みや間違いかもしれません。実際巻き爪が原因で痛くなってる方もいますが、もう少しよく全体を看ていく必要があります。
ー靴や靴下を履かない時も痛いのか痛くないのか。どういう時に痛いのか。
ーいつから痛いのか。
ー爪や爪周囲の状態は?
ー下腿・全身状態
ー現在使用中の靴下や靴
ーなぜ、巻き爪が原因だと考えたのか
相談者ご本人の考えは一旦脇に置いておいて、自分の目や耳、手で情報を獲得して捉えていかなくてはなりません。
なぜなら、巻き爪であること自体が足への負荷による結果だからなのです。
巻き爪で痛いから爪を切る・・・?
『看護師さん、私は巻き爪で痛くなるんです。もっと切ってください。そうやって押されると痛いんです』
入院中の素敵な高齢紳士から、「巻き爪で痛いから、切って欲しい」そう依頼を受けました。
どんな巻き爪かといろんな想像を膨らませて訪室し、拝見。
すると、どうしたことでしょう?巻き爪の食い込みはないわけではありませんがトラブルを起こすほどの巻き具合でもなく、爪の肥厚もないのです!ただし、軽く押すと痛みが生じます(写真なしでご容赦ください)
全体を拝見して
母趾(巻き爪の)痛みを問題を捉えた時、直接的要因は靴のサイズと浮腫(むくみ)と考えました。
実はご依頼をくださった紳士はマジックテープのスニーカーを履いていたのですが、非荷重な状態で爪先も踵もピッタリで爪先が常に靴の壁に当たっていたのです。さらに、下腿は浮腫が目立っていて、足背は圧痕が残るほどではありませんが軽度浮腫んでいる状態でした。
そのため、歩行のたびに靴内壁が浮腫んだ足を押し、軽度巻いた爪が食い込み痛みを生じていた、そんなストーリーです。
もちろん、私の見立て(アセスメント)を伝え、対策として靴サイズの変更を提案しました。これで、簡単に一件落着にならないのですが。そうは問屋が下ろしません😆。
この紳士は「昔からぴったりとフィットしている靴が好きなので変えたくない」とのこと。ちーさんは、この一言に大きな衝撃と学びをいただきました。
ひとまず、紳士に対しては頻回に足元を確認すると同時にむくんでる間だけでも代替え案を受け入れてもらえないものかと思案しています(現在進行形)。まさに、ここからが行動変容理論を活用した看護支援の見せ所です。
足は荷重や蹴り出しで長くなる
足は図のように3つのアーチで形成されています。
各赤いライン(アーチ)が弧を描いて弓状になっています。
歩行によって
❶加重がかかり、アーチの弧は潰れた状態になります。
❷歩行時の後足は蹴り出す行為が必要になります。その時、足の付け根(MTP関節)が曲がって各足の指も体重が乗って指が延ます。(*足趾も普段荷重がかからない時は軽くカーブしてますよね)
そのため
👉靴を履いた時と、立った時、歩行時は足の状態が異なるのです。延びる分を考慮して爪先が当たらないように靴のサイズを選ぶ必要があります。
歩行時も爪先が当たらない靴サイズを正しく選んで、それと正しい履き方をセットで行うことが重要でしたね!理由はたしか、甲部分をしっかりと留めずに歩くことで歩行のたびに靴の中で足が動いてトラブルや負荷がかかってしまう!からです。
その通りです!足にサイズを正しく履く!!!
よく覚えてましたね。素晴らしいです。
結論:真の問題、事実を見よ!
「私は〇〇だから・・・・」
その〇〇は事実ですか?
〇〇だから仕方がないのではなく、〇〇はあくまでも結果でしかない可能性が高いのです。今回の紳士のように巻き爪が原因なんではなく、靴の『サイズ』『靴幅』や『フィット感』を勘違いして思い込んでいるケースはとても多いです。
今回はたまたまわかりやすく主張されていたので、例にあげました。多くの方が「そうなんですな、変えます」「気をつけて選びます」と大人な対応をして、次お会いした時そのままのことがほとんど!
習慣や慣れは目に見えない最強の敵です。
靴サイズやフィット感の思い込み&勘違いについて今回はご紹介しました。
まとめ
習慣を変えにくいのは、靴だけではありません。食習慣、運動習慣、挨拶習慣、片付け習慣・・・etc。理屈だけで習慣を変えられる方は「居ないわけではない」、その程度です。紛らわしい表現ですが、変えた方がいいことを情報として知っていることとそれを行動することはまさに別物、なかなか簡単ではないのです。
特に靴に関しては、西洋に比べ100年遅れていると言われています。私たち大人の幼少時は靴の情報は今よりも限られていました。ご自身の習慣を変えていただくことも大切です。それと同じくらい大切なことの一つに子供たちに正しい情報を届けていくことではないでしょうか。
子供の足を、子供の未来を守りたい!!!
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今日という日がいい1日でありますように!
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