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セルフケア行動が改善しないのは説明が悪いから?いーえ、援助者の覚悟と支援の目的共有が重要!

Abeby(アベビー)

「何度も説明しているのに」「やる気がない」と患者さん(利用者さん)のセルフケアで困っていませんか?実は、そもそもそう簡単に生活に取り入れられないものなんです。運動、勉強、食事。習慣を変えるのは一苦労で、靴の履き方や脱ぎ方も共通です。この記事では、「笑顔が集まるフットケアサロンー笑足salon」の開催内容の一部をピックアップして、行動変容支援のポイントを一つご紹介しています。

フットケアだけでなく、療養支援全般において活かせる内容です。ぜひ最後までお読みいただき活用していただけたら嬉しいです。

目標の共有、ここに大きな差が生じる

皆さんは理解できたら、それを必ず行動できますか?

いや〜お恥ずかしながら、

やろうやろうと思って時が過ぎてしまします

私も苦手なことはつい後回しにしてできないことがあります。

お掃除とか・・・苦笑💦

先生でもそうなんですね。ちょっと安心しちゃうかも。

でも、やろうと思っててできない自分も情けないものです。

いくら大切だと分かっていても、簡単ではありません。

ひとってそういう生き物なんじゃないでしょうか

先生、悟ってますね、笑!ま、でもそうかもしれません。

でも、職場の後輩とかには結構厳しい事言っちゃってるかも・・・。

そうなんです。人は頭で「大切」「重要」ってわかったからといって、今すぐに行動できるかは別です。

例えば、甘味を減らせば痩せる、勉強したらいい点が取れる、練習したら上手くなる。みんなわかっていますよね。でも、愚直に行動できる人はどのくらいいるでしょうか。さらにそれを継続している人は・・・?

健康問題でも同じことが言えます。

薄味にして塩分を控えれば血圧が下がる、運動すれば血糖値が下がる、薬を指示通りに内服したら症状(体調)が改善する。そう感じながらも行動には結びつきにくいことが言えます。

同じ方に同じ内容を支援す続けることは、

「言い方が悪いのか」「自分だから耳を貸してくれないのか」「どうしたら伝わるのだろうか」「自分の関わりは無意味なんじゃないか」さまざまな感情と葛藤が湧き上がります。支援者の心の揺れは熱心だからこそ。そして、無力感は支援者の心をも疲弊させ蝕むことにもなりかねません。

話を戻しますが、要は人は一度言われてすぐ行動できる人ばかりではないのです。何度も、タイミングを変え、表現を変え、伝える人を変え諦めずに繰り返し伝え続けることで、刺さるワードやタイミングもそれぞれ異なるのです。

熱心だからこそ、一生懸命に伝えても伝えても変化が見られないと心が折れそうになります。しかし、人間はそういうものだと半分思えるだけで、気持ちが軽くなります。

行動を変えるということは患者さんにとって、考えを変えることにも連動します。

そして、目標は共に設定されれいますか?

援助の目的とゴール設定はあなたは明確ですか?患者さんは?他人事ではなく、自分の将来に繋げる今に結びつけも絶えず必要です。

「足のケアなんてそんな大袈裟なことじゃないでしょ」

そう思われるかも知れません。一見それほど簡単そうなことでその行為の意味がわからばければ簡単に後回しや放置されてしまうでしょう。

言葉の理解≠行動 

慢性閉塞性肺疾患(COPD)によって入院後、退院した患者の喫煙について調べた調査があります。

2005年〜2012年の間に退院したCOPD患者のうち喫煙者1334人を対象に行われた調査です。
調査の結果、6~12カ月間禁煙したのは、全体のわずか19.8%でした。
Melzer,A.C. et al.(2015)Utilization and effectiveness of pharmacotherapy for Tobacco use following admission for exacerbation of COPD .Journal of Hospital Medicine,11(4),257-263.
COPDで入院を経験した人でさえ、禁煙というセルフマネジメント行動は20%に満たなかったのです。
残りの80%の方々も身をもって苦しさを味わい、入院するまでの体験をしても禁煙には至らない事実。
 
この調査を通して、私たちはお互いのために忘れてはいけないことではないでしょうか。
 
つまり、行動を変えるということはアイデンティティにも影響を及ぼすものなのです。たとえ、それがかかとの『保湿』爪の切り方だとしても、です。
 
 
個人的には、この調査対象が喫煙がその時の体調に影響することは理解していたとしても、将来的にどう影響してくるのか、喫煙が自分の思い描く未来の弊害になりかねないことを結びつけて考えられているかは気になるところです。
 
 
COPDとは、
主な原因はタバコ。歩行時や階段昇降など、身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難や慢性のせきやたんが特徴的な症状です。一部の患者では、喘鳴や発作性呼吸困難などぜんそくの様な症状を合併する場合もあります。
(一般社団法人 日本呼吸器学会HPhttps://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=12 参照)

事例(一部変更してご紹介)

40歳代女性:糖尿病があり、現在透析も受けています(糖尿病性腎症)。夫と暮らしている。自らフットケアを希望され支援につながっている。

メンバーの疑問
自分も勧めた保湿剤があったのだけど、お友達が「いい」と言って勧めたものを使用している。それを嬉しそうに話してくれた。しかし、乾燥は改善している印象はない。客観的に見て、保湿剤を変更した方がいいと思うが押し付けるのは違うように思う。
さて、皆さんだったらどんな声かけ、アプローチをしますか?
 
 
いろいろありそうです。関わったサロンメンバーさんは「お友達お勧め商品を否定しないでどう伝えたらいいか」悩んでいました。思いやりを感じます。
 
ちーさんもサロンメンバーさんの気遣い大切な部分に感じます。なぜかというと、紹介してくれたのは大切なご友人。その友人の紹介商品を頭ごなしに否定することは、時にそのご友人を否定しているように受け取られかねないからです。また、強引に押し付ければその場では納得したそぶりをしても、反発を招きやすく信頼関係にも影響を及ぼしかねません
 
そのご友人のおかげで保湿ケアができる力をお持ちなことは明確になりました。その力を成果につなげるよう方向付けていくことが必要なります。
 
 
としては、
❶可能ならば定期的に写真を残し、必要時に客観的に比較できる環境を整えておき、本人に評価してもらう。
❷写真がない場合、ケアに携わる自分の主観にはなるが改善していない事実を伝え、本人と一緒にその後の保湿剤、保湿材の量、タイミング、塗布の方法を確認&変更する。
❸「私の大切な友人が〇〇さんと同じ状況だったら、私は**を勧めます」というように、別の**を勧めたい気持ちは明確に示し伝える。
❹何のために療養に取り組むのか、自覚できるようご自分で目標設定できるよう働きかける
❺人生の航路のどこに今いるのか可視化するとともに、病状や身体の状態をそこに合わせて可視化していく。軌跡を辿り、予測する。
 
 
❹❺は特に漠然としていてわかりにくいかも知れません。後日、改めて記事にしていきます。
方法はこれ以外にもたくさんあるはずです。ぜひ、皆さんのアイデアや体験を教えてください。皆さんの体験は全て宝物なんです。
 
一緒に笑足サロンで意見を交わしませんか?経験や知識、置かれている環境がことなる仲間の意見はとても多くの気づきと深い学びに繋がりますよ!
 

結論

❌患者さん(利用者さん)に話したのだからできるはず!

目標設定、その理由を明確にして必ずシェアしましょう!

大切なことは折に触れ、場面や表現、例え、伝える人(くち)を変えながら繰り返し伝え理解や受容を深める意識で臨みましょう。この意識は患者さんのためでもあり、ケアや情報を提供する人自身のためでもあります。

こう思ってると、行動してくれた時もしちょっとずれてても自然と称賛の言葉が出てくるものです。

そして、その行動が一時的にどんなメリットとデメリットがあるのかだけでなく、長期的に人生において臨む生き方にどういった形で関与してくるかを紐づけることが私たちの役割なのです。

患者さん(利用者さん)やご家族は、セルフケアや病状、将来像は点状なのです。点を線にできるように埋めていくことで「その方らしく生きる」を支えることに繋がるのではないでしょうか。

まとめ

年齢・性別・職業・国籍・経験・・・皆違います。同じものや事でもそこに派生する意味はそれぞれ異なります。セルフケア、セルフマネジメントも受け取り方や解釈はそれぞれ。

患者さんの人生に関わっている覚悟をもって向き合い、私たちがフットケアを携えてどうあるべきか考える機会になったサロンでした。「患者さんの意向」に沿うことも必要ですが、伝えばければ重要なことが伝わりません。関わる方々の顔を思い浮かべながら、その方の生活や過去と未来を見つめながら正解のない看護ケアに臨んでいるサロンメンバーに力をもらいました。

記事の一番下にちーさんの師匠がわかりやすく行動変容について書かれた書籍を紹介してます❤︎

今日という日がいい1日でありますように!


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