食事療法は栄養士さん、お願い!と、食事療法って取り組むご本人も大変ですが、ナースにとっても何を伝えたらいいかわからない💦そう感じている方もいるかもしれません。特に「足」と関連の強い糖尿病を抱えた方の退院支援は重要です。じつは、昨年に続きプチナース(照林社)の執筆機会をいただきました。2021年9月の特集『退院支援特集』が好評で、第2段です!今回、ちーさんが担当するのは糖尿病患者さんの退院支援で、食事療法で糖尿病患者さんの食事を作れない時のテーマにします。
そこで、この記事ではテーマに含まれない食事療法のポイントをここで紹介します
ベテランの方は復習として、知らなかった方はプチ情報として。フットケアにおいても要になる食事療法について、ぜひ最後までお読みいただけたら嬉しいです。
糖尿病食事療法は食品交換表をなんで使うの???
そもそも食品交換表って何なのよ⁈
1日のエネルギー量を適正にして、バランスよく栄養素を配分するために用いられている表を『糖尿病食事療法のための食品交換表』(『食品交換表』)っていいます。
グループ分けされてるのね
客観的にこういった分類を活用してバランスよい食事を取りやすくしています。
へ〜
じゃあ、今回のテーマはこの表に当てはめ間違えやすい食品ってことね。
その通りです。
表分類を間違ったって良いじゃないか。そう思われるかもしれません。
今回あえてテーマにした理由にもなるのですが
『努力が仇になりかねない』からなんです。
つまり血糖コントロールを改善しようとしていたのに悪化してしまったり。そうならないように、表分類を確認が大切になります。
我慢して調整していたのに・・・。そうならないためにも確認していきましょう。
心理的動機付けサポートに関してはこちらの記事にまとめています。併せてお読みいただくと効果的な支援に繋がります。
糖尿病食事療法で食品交換表分類を間違われやすい食品
バラ肉
バラ肉は肉(表3)の仲間ではなく、脂(表5)の仲間になるんです。タンパク質を摂っていると思って食べていたら危険!
脂の仲間
ご注意を〜
アボカド
アボカドは野菜(表6)でなく油(表5)になります。これも野菜だと思ってパクパク食べちゃったらかなりヤバイことになります。
油脂は血糖値を上げた後なかなか下がらない特徴があります。
ご注意を〜〜
ジャガイモ・里芋・さつまいも、カボチャ、とうもろこし、くり
ジャガイモ・里芋・さつまいもなどの芋類やカボチャ、とうもろこし、くりは野菜(表6)ではなく主食(表1)になります。
食品交換表では野菜でなく主食になります。
たくさん野菜をとって「よし!」と思っていたら食後高血糖⁉︎となってしまいます。野菜のくくりに入りやすいので
ご注意を〜〜〜
菓子パン・カップ麺・コーンフレーク
菓子パン・カップ麺・コーンフレークは主食(表1)ではなく間食
菓子パンは海外では朝食によく出てきますし、カップ麺やコーンフレークは日本のCMでもおなじみですよね。
私たちのイメージでは「ご飯の代わり」ではないでしょうか。
でも、食品交換表では違うんです!!!
ご注意を〜〜〜〜
さて、ここまでお読みいただいていかがですか?
結構びっくりされたものもあったのではないでしょうか。よく読めばわかるけど、いちいち本開いて見ません。この機会に頭の片隅に何となく覚えててもらえたらきっと役に立ちます!
身体にいい油
油も種類があって。身体にいい油とそうでない油があると聞いたことがあります。
そんなエピソードから。
Aさん「看護師さん、油をいい油に変えたんだよ!」「血糖さ、下がった?」
ちー「油を変えたんですね」「???血糖?あまり変わらないみたいです。ちょっと高いくらいかも」「なんで血糖?」
Aさん「だって身体にいいっていうからさ。いっぱい使ってみたんだけど💦下がんないかい(群馬弁)」
ちー「😱 そ そうだったのですか😱💧」
Aさんの期待する「身体にいい」とお店の方がいう「いい」が違っていたんです。でもどちらも都合よく解釈しているからその場では気づかずに、病院でやっと勘違いが判明。
実際、血糖値に関して言えばどんなにいい油でも血糖値を下げるエビデンスのある油はなく、油脂の特徴によってむしろ血糖値を高めてしまうことが考えられます。
食品交換表を使うことで客観的にバランスのよい食事を目指せる
糖尿病を抱えながらも自分らしく生き生きとHappyに過ごしたい。
そう思っている方々をサポートするには食事の調整は不可欠です。
せっかく、コントロールを目指して調整していたはずなのに、悪化してしまった。そんな残念なことにならないように時々食品交換表を見てみることをお勧めします。
勘違いが見過ごされてしまっていたら・・・そう思うと怖いです。
『努力が仇になりかねない』
支援する私たちも、患者さんに対して「ご存知でしょうけど」のスタンスでよく召し上がるものの認識の確認を丁寧にしていくことが求められています。
まとめ
外来で診療に携わっているといろんな方にお会いします。
ー管理栄養士から何度も糖尿病の栄養指導を受けているのに甘いものでなければ好きなだけ食べて良いと思い込んでいる方
ー何度も説明しているけれど「聞いてない」とおっしゃる方
こんな出来事は日常茶飯事なので驚きませんし、責めるつもりなんて全くなくて。例をあげたのは、このくらい正しく伝わっていないことを知って頂きたかったのです。
正しく理解していただくためには、患者さんに正しい表現で伝え、それが①伝わる、②認知される、③解釈される。これらのプロセスが必要となります。どこかでズレてもおかしくありません。
思ったように伝わっていないことを前提に確認することが、専門職者の役割なのかもしれません
では、プチナースの出版楽しみにしていてください。2022年7月特別号(6月販売)です😆!
最後までお読みいただきましてありがとうございました( ^ω^ )!
感謝の気持ちを忘れずに、こころ豊かに人生を生き切りたいし、いつでも会いたい人に会いに行ける体でいたい。
でも、もし足にトラブルがあったら?願いは願いのまま・・・かも。なので、このブログを通して1人でも多くの方と一緒に実現できたら嬉しいです‼︎
引き続き当ブログをお読みいただけたら飛んで喜びます♪
🦶サロンやセミナーも随時開催中。コメントやご感想、お問い合わせもなどもお待ちしております❤︎
さらに詳しい内容はこちらのHPまで
♦︎ちーさん本名:木嶋千枝(きじまちえ)
♦︎資格:正看護師・日本慢性疾患看護専門看護師・日本認定心理士・日本糖尿病療養指導士
♦︎現職:Abeby代表/大誠会内田病院非常勤/群馬大学大院非常勤講師/高崎市医師会看護学校非常勤講師
群馬大学臨床教授・日本慢性看護学会評議委員・日本糖尿病教育看護学会研究査読委員
◉ぐんま足人の会発起人/JAGSS(日独小児靴学研究会受講修了
◉地域の出前講座(医療福祉関係者向け・高齢者向け・ママ向け)なども大好評でリピートいただいています😃
SNSやサロンイベントなどもご覧いただけたら嬉しいです^ ^
今日という日がいい1日でありますように!
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