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靴カイロの注意点とその理由:低温火傷の恐怖

足のこと

寒くなると、足が冷えて暖房器具必須!の方、この記事では便利なものでやけどをせずに使いこなすためのポイントとその必要性について紹介しています。この記事を読むことで、やけどなどを避けて、便利なものをうまく使いこなして健やかに過ごすことに繋がります。ぜひ最後までお読みいただき活かしてください。

靴にカイロは使わない

カイロはとても暖かい便利なものです。ただし、人工的なものですから正しく使用しすることも大切になります。カイロによって「やけど」ができてしまうことがありますので注意して使いましょう

やけど(=熱傷ねっしょう)

やけどは、熱によって皮膚や粘膜に障害が生じる傷の1つです。皮膚障害の程度は接触する熱源の温度と接触時間によって決まります。非常に高温のものであれば短時間の接触でもやけどになる一方で、44℃~50℃程度の低温のものでも長時間接触しているとやけどになり、これを低温熱傷(一般的に低温やけど)という。日本創傷外科学会HP抜粋一部改訂

火や熱湯で起こってくる高温のやけどは、表皮から損傷が起こります。しかし、体温より少し高い程度の低温のやけどは皮下組織で損傷が起こってきます。低温やけどでは、長時間にわたって熱が皮膚に伝わり、皮下組織に損傷が起こりやすくなります。表面上は軽症に見えても、水疱ができたり、色が変わってしまうことがあります。

特に子どもと高齢者では、表皮が薄いために熱が深く伝わり、熱さをあまり感じないために長時間にわたり熱にさらされますので、低温やけどが起こりやすいです。

 

 そのため、暖房機材(カイロ、湯たんぽ、ホットカーペット、床暖房など)を正しく使うことが重要です。

 
<<注意事項>>
①皮膚に直接暖房器具をあてない
②暖房器具が皮膚にあたっている場所を圧迫しない
③同じ場所に暖房器具をあて続けない
④熱いと感じたらすぐに暖房器具を切ったり距離を離す
⑤可能なら寝ている時には暖房器具は使用しない

靴の中のカイロ

先の<<注意事項>>を思い出しながら、靴の中にカイロを入れた状況を一緒にイメージしてみましょう!

⑤以外ほぼ該当しませんか?特に靴の中に入れていると、人前で靴を脱いでカイロを外す行為がしにくいものです。足の裏は皮膚が他に比べ厚いことや、末梢神経障害が発生しやすい部位のため温度など靴内環境にも気づきにくいという特徴があります。

日本人の5人に1人が糖尿病または糖尿病予備軍

実は、知らない間に足の裏の感覚が落ちて暑さに気づきにくくなっている病気があるのです。

 

それが、糖尿病。

 

「自分は糖尿病じゃないから大丈夫だわ〜」そう思われた方、今が大丈夫でもこれからわかりません。

平成28年国民健康・栄養調査では、糖尿病に罹っている人が1000万人、予備軍(糖尿病が強く疑われる者)が1000万人と推計されています。

つまり、日本の成人の6人に1人が糖尿病あるいはその予備軍なのです。

 

また、糖尿病を患ってる方20万事例を対象とした大規模研究(日本糖尿病対策推進会議:日本における糖尿病の足外観異常および糖尿病神経障害の実態に関する報告,2008年)の一部を紹介します。

この調査対象者全体の54%の症例に何らかの足の自覚症状が認められ、全体の58%の症例に何らかの足の外観異常が認められました。つまり、日本の6人にひとりが糖尿病でそのうちの半分以上、つまり日本の12人に一人以上の割合で足の異常があることが明らかになりました。

 

糖尿病は自覚症状がないことが特徴であり見た目では判断できない病気で、合併症の進行が生活の質を大きく左右します。その合併症のひとつに、糖尿病神経障害があり、足の裏や足先がいびれたり感覚が鈍くなるのです。

日頃の習慣と同様に、寒くなった時の対処行動も習慣に近いものがあります。病気になったからと言って習慣を変えることは簡単ではありません。したがって、今糖尿病がなくても正しい使い方を習得して、いい習慣を身につけておくことが重要なのです。

事例

護外来で足の裏が痛いと相談に来た方がいました。寒いので靴用カイロ使っていたそうです。

カイロを入れることで歩行時の衝撃が靴に吸収されにくく、圧迫され足裏が痛くなった様子です。たまたまやけどには至っていませんでしたが、相談を受けた時ヒヤッとしたのを覚えています。もともとの足状態や靴環境も関係しているでしょうが、みんさん自分の足は「普通」と思っていることが多いので判断に迷うことも少なくないと感じました。

足の裏が痛いと、足をつくこと自体辛く動きたくなくなってしまいますので、健康への影響は思っている以上に大きくなりかねません。

結論

カイロをはじめ、暖房器具は正しい使い方を知って利用しましょう

販売されているからどう使っても「安全」と解釈するのは非常に危険です。特に、靴の中の環境は自由に調整できるものではありませんし、思っている以上に危険が潜んでいる空間。

どう活用することが安全なのか、ちょっと立ち止まって考えてみることも重要です。

まとめ

湯たんぽ・電気毛布・カイロ等暖房器具に助けてもらうことは決して悪いのではないのです。便利なものをどう使うかが重要に感じます。利用者の私たちがうまく安全に使っていく道具の一つです。

今回は暖房器具についての記事でしたが使いこなすかどうかと言う点で、情報に情報に振り回されてしまうのか、情報を使いこなすのか、に似ているようにも感じまます。

いずれも、私たちの『確かめる意識』が大切なのかもしれませんね。

 

また、長期的に冷えにくい足づくりのセルフケアも有効です。ご興味のある方はセルフケアコースを覗いてみてください!

今日という日がいい1日でありますように!

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